先週木曜日の朝に1羽で飛行する姿を目視し、翌朝は鳴き声のみ確認。その後は見かけなくなったのでは、との情報を得て1週間ぶりに待ち伏せ。
時折強く雨が降る中待ち伏せしていると、朝4時50分、車を超える感じでいきなり1羽のトキが飛来。想定していたねぐらとは違うところからやってきました。
そして、いつもの止まり木へ。
20分ほどして飛び立ち、お気に入りの田んぼに着地した模様。
2時間ほど待機するもまったく姿は見えず。
観察終了として車を動かすと、集落のじいちゃんと出くわす。車を停めてじいちゃんのところへ。
「おはようございます」
「おったけぇ」
と会話が始まる。
爺ちゃんの話はなかなか興味深い。
「ここんとこは、見んかったが、しばらく2羽でおった。」
と最近の目撃情報に始まり、
「むかし(1981年の全鳥捕獲以前)、佐藤春雄先生と一緒にあの沢(この1カ月ほどトキがよく現れている沢)をあがっていってのぉ、トキの糞をたくさん拾った。佐藤先生が糞を洗ってみると、サワガニのかけらがいっぱいあったそうだ。」
「むかしのトキは、冬にならないと人里近くには降りてこんかった。今のトキはずっと人里におるから利口じゃのう。人に慣れているのかしら。」
と20分ほど会話をしていると、
「ほらほらっ」と爺ちゃんが声を上げ、指さす方向を観ると、トキ1羽が飛んでいました。朝の食事を終えたのでしょうか、周辺をウロチョロと旋回して、お気に入りの止まり木には止まらずに、杉林の影に消えて行きました。